【生活に溶け込む音楽】発車メロディ-京阪神編

駅のホームから電車が出ていく時に流れるあのメロディ。あなたは口ずさむことが出来るだろうか。実はバラエティに富んで、思わず「へぇ」と言ってしまう発車メロディも。ほとんどの人が日常的に耳にしているはずだが、あまりにも日常に溶け込んで気にも留めない。そんな音楽。発車メロディの数々を今日はご紹介していきたいと思う。

皆さんは普段乗っている鉄道が駅に発着する時に流れているメロディを覚えているか、と聞かれてすぐ口ずさむことが出来るだろうか。ほとんどの人が日常的に耳にしているはずだが、あまりにも日常に溶け込んでいる物事は見逃してしまうのが人の常である。
そんな発車メロディの数々を今日はご紹介していきたいと思う。

JR西日本 大阪環状線

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出典: http://blogs.yahoo.co.jp/wgudamexpress_crash/3132337.html

無題

まずはJR西日本から、大阪環状線の発車メロディをご紹介しよう。大阪環状線は大阪、西九条、天王寺、京橋など大阪市内を結ぶ環状線だ。なんと大阪環状線の19の停車駅では、それぞれ異なる19曲の発車メロディを聞くことが出来る。大阪駅なら「やっぱ好きやねん(やしきたかじん)」、桜ノ宮は「さくらんぼ(大塚愛)」というように、 その駅のイメージにあった曲が使用されている。

この発車メロディは、2014年3月に『大阪環状線改造プロジェクト』の一環として導入された。今年2016年から順次新車輌323系を投入することもあり、現在JR西は特設サイトを設置するなどして、プロジェクトを大々的にPRしている。

阪急電鉄

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%AA%E6%80%A51000%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A_(2%E4%BB%A3)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%AA%E6%80%A51000%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A_(2%E4%BB%A3)

次は、関西では言わずと知れた大手私鉄、阪急電鉄の発車メロディをご紹介しよう。
“発車メロディ”を紹介しようとは言ったものの、実は阪急電車のほとんどの駅では、到着メロディは採用されているもの、発車時はメロディではなくベルが鳴るだけだ。そんな阪急電鉄の駅の中でも2駅だけ独自の発車メロディを聞くことが出来る駅が存在する。阪急最大のターミナル梅田駅と、宝塚線と今津線の乗換駅である宝塚駅だ。

阪急は京都線、宝塚線、神戸線の3つの本線と、それに付随する千里線、今津線などの支線を有している。ターミナルである梅田駅では、3つの本線のイメージに合わせて作曲された発車メロディを聞くことが出来る。京都線であれば「竹」、宝塚線は「高級感」、神戸線は「海」が曲のコンセプトだ。皆さんも次に、阪急電車に乗車する際には、嵐山の竹林、宝塚の高級住宅街、港町神戸といった行き先の情景を思い浮かべることが出来るだろう。

一方、宝塚駅ではもはや地元の代名詞である歌劇団にちなんだ「すみれの花の咲くころ」と、宝塚が誇る漫画界の巨人手塚治虫氏の手がけた名作アニメーション「鉄腕アトム」のオープニングテーマが使用されている。そもそも宝塚歌劇団は阪急の創始者小林一三が手がけたものであり、現在も阪急電鉄が所有、運営している。「すみれの花が咲くころ」を聞くことができるのは宝塚線、「鉄腕アトム」は今津線のホームだ。沿線の文化を感じさせるメロディは、マルーン色の車体や沿線住宅街でブランド力に定評のある阪急ならではの「らしさ」なのかもしれない。

 

京阪本線

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https://www.keihan.co.jp/traffic/railfan/

京阪電鉄は自社オフィシャルサイトに鉄道ファンのための特設ページを設けており、いわゆる鉄ちゃんへのサービスにも余念がない。そんな京阪電鉄の発車メロディは全国の鉄道ファンから特に人気を集めている。人気の理由は、つなげて聞くと一つの曲になるように作曲するという、玄人心をくすぐる一工夫だ。

発車メロディは大阪・淀屋橋と京都・三条を結ぶ京阪全線89駅のうち、中之島、淀屋橋、天満橋、京橋、守口市、萱島、香里園、枚方市、樟葉、八幡市、淀、中書島、丹波橋、深草、三条、出町柳、私市、宇治で聞くことが出来る。以上の18駅で「上り(京都方面ゆき)」と「下り(大阪方面ゆき)」、そして列車種別に応じて4つのコンセプトの曲が作られているので、実に72種類ものメロディが存在することになる。

例えば特急出町柳行き(上り)であれば京風を感じるメロディが停車駅で流れ、それをつなげることで「MIYABI」をコンセプトの一曲となる。他にも上りの特急以外は「KIRAMEKI」、下り特急は「GENKI」、下り一般は「AKOGARE」というコンセプトがそれぞれ設定されている。こんなにもたくさんのメロディがあるとなれば、一般ユーザーの方々も通勤、通学、お出かけの際にホームで耳を傾けるのが少し楽しくなるかもしれない。

北大阪急行

http://news.mynavi.jp/news/2016/02/27/224/
http://news.mynavi.jp/news/2016/02/27/224/

JR、大手私鉄2社のお次は、北大阪急行、通称北急だ。北急は御堂筋線江坂駅と千里中央駅を結ぶ路線である。たった4駅の区間で、かつ大阪市営地下鉄御堂筋線と相互直通運転を行っていることから、北急を利用したことがあっても、御堂筋線の一部だと勘違いしていたという方も多いかもしれない。

環状線各駅のイメージから選曲されたメロディ、ターミナルで流れる路線ごとのメロディ、つなげると1曲になるメロディをご紹介してきたが、北急では季節ごとに異なる4つの発車メロディを聞くことが出来る。この発車メロディが流れるのは千里中央駅のホームから江坂方面の電車が発車するときだ。春は「春の歌」、夏は「アルルの女」、秋は「枯れ葉」、冬は「たきび」というように、季節に合わせた民謡などがメロディーとして選ばれている。

四季を感じさせてくれる発車メロディというのは面白いし、稀に北急に乗るという人は、前に乗ったときは夏の暑い日だったな、などと想起するのも風情があるだろう。

京阪神市営地下鉄 比較

京都、大阪、神戸。三都とも呼ばれる各都市の市営地下鉄で使われている発車メロディを最後に比較してみよう。

 

まず最初に古の都、京都の市営地下鉄から聞いていこう。先ほどご紹介した阪急、京阪と同様に、やはり古都・京都らしく和を感じさせるメロディが印象的だ。その気概は「古都の朝霧」、「醍醐の鶯」、「春開き」、「詩仙堂猪脅し」という曲名を見ても一目瞭然である。
余談ではあるが、京都市営地下鉄は東西と南北十字状にしか路線がないため、寺社仏閣を巡ろうと思うと、同じ京都市交通局の運営する市バス、もしくはタクシーを利用しなければ行くことの出来ない場所が多い。と、いうのも京都市電が路面を走っていた時代の経路はほとんど、現在市バス路線とされているからだ。また、京都市電とは別だが、現在でも京都市内には路面電車が走っている。

お次は天下の台所、大阪の市営地下鉄だ。
こちらは一般的な電車の到着メロディ、発車メロディといった印象。大阪市営地下鉄はほぼ全線において同一の接近・発車メロディが使用されているが、例外的に長堀鶴見緑地線だけ異なる接近・発車メロディを使用している。この長堀鶴見緑地線で採用されている接近メロディは門真南方面行きが大阪弁アクセントの「つるみりょくち(鶴見緑地)」をメロディ化したもの、大正方面行きが同じく大阪弁アクセントの「きょうばし(京橋)」をメロディ化したというユニークな経緯を持っている。

トリを飾るのは、関西が誇る港町神戸だ。神戸といえば、夜景や異人館などもあり、オシャレなイメージが強いと思う。しかしながら意外にも、市営地下鉄の発車メロディは非常にシンプルで、メロディというよりはベルやブザーといったほうが、伝わりやすいものだ。唯一、2001年に開業した海岸線では、発車メロディを聞くことが出来るが、それも先ほどまでにご紹介してきたバラエティに富んだ発車メロディに比べると、どうしても劣るように感じてしまったというのが私の率直な感想だ。おしゃれな港町・神戸のイメージにいささか期待しすぎていたのかもしれない。いかに良い印象を与えるレッテルでも、時にはそのイメージと現実とのギャップがカウンターになりかねないといういい教訓ではないだろうか。

 


いかがでしょうか。
普段何気なく駅や電車で耳にしているメロディも、注意深く耳を傾ければ新たな発見があるかもしれない。皆様も街に出て、様々な音楽に触れてみてはいかがだろうか。

オンガク編集部

投稿者: オンガク編集部

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